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マンションの長期修繕計画

 マンションは年月を経るにしたがい、建物も設備も老朽化していく。だいたい10年くらいすると材料や仕上げの程度、施工の良否、立地条件などによって差は出てくるのだが、地区10年ぐらいから外壁や屋上防水の補修、ポンプ類のオーバーホールなどが必要になる。

 築20年ぐらいになると屋上防水の全面張替え、水槽の取替えなど、大規模な修繕が必要になる。外部の鉄製手すりなどは、4,5年ごとに塗装しなおさなければ長持ちしない。こうしたことのための費用を積み立てておかないと、補修工事をする時点で一度にたいへんな出費を余儀なくされてしまう。

 どの時期に、どのような修繕をするのか、費用はいくらかかるのか、そういうものを定期的に積み立てをしていく必要があるわけです。これが長期修繕計画というものである。

 あなたのお住まいのマンションではこの計画を作っているでしょうか?
 この計画のための積立金はどうなっているでしょうか?

 マンションの販売会社はできるだけ売りやすいように管理費や修繕積立金を低く抑えて販売する傾向が強い。しかし、時間がたてば補修は必須なので、あとで居住者が一時的に多大な支出を迫られることが多く、これは社会問題ともなった。

 最近では、国土交通省や販売業者団体も指導をはじめ、修繕計画と積立金の必要性は次第に認識されてきている。
 しかし、まだまだ計画ができていないところも多く、あるいは計画はできていてもそれに見合った積み立てが行われていないマンションも多くある。そのままでは一時金の負担が相対的に重くなってしまう。

 住宅金融公庫では中古マンション購入に対して貸付を行っているが、審査の際に建物の状況とあわせて長期修繕計画や積立金の状況も審査の対象にしている。
 建物そのものが良くても、管理がまずいと傷が早く、マンションの価値が下がってしまう。

 新築マンションに入居した場合は、最近は販売会社から長期修繕計画について、提案されることが多いようだが、ない場合は、管理組合でよく検討して全員が納得するものにして取り組もう。
 しかし、必ず積極的に応じる販売会社ばかりともいえないので、そういうときには専門家を呼ぼう。

 長期修繕計画の立案やそのための調査は、販売会社と利害関係のない信頼できる第三者の専門家に依頼しよう。
 「マンション監理適正化法」が2001年8月より施行され、第一回のマンション管理士の資格試験には11万人が参加したということで、今後のその道の専門かも増えていくと考えられる。

 建物の傷み方はいろいろな条件により、一様ではない。何年後には何を修繕するという目安というものはあるが、傷みがひどくないのに無駄に費用をかける必要はないし、反対に目安より早く痛んでいれば急いで手を打つ必要がある。
 修繕工事を販売会社や管理会社系列の施行業者に依頼した場合、業者ペースになりやすく必要のない工事をさせられてしまう恐れもある。

 無駄な出費を抑えて合理的に適正な修繕をするためにも、計画の立案や修繕工事の下請け調査については中立性のある専門家やコンサルタント、信頼できる関連団体などの協力によって建物診断を行うようにしよう。
 また、修繕工事はそこから出された計画案をもとに管理組合全体で議論してその合意に基づいて行うようにしよう。

 修繕積立金は、財団法人マンション管理センターの資料による、一戸あたり、月額9300円を目安に当該マンションの実情に合わせて考えていくとよいでしょう。
 ただし、この額もあくまで目安で実際には建物診断によって長期の見通しを立てて決めていくと良いでしょう。

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